
【半夏(ハンゲ)の生薬情報】
【生薬名】
半夏(ハンゲ)
【基 原】
サトイモ科 Araceae 半夏 Pinellia ternata (Thunb.) Breit. (カラスビシャク)の球状根茎を乾燥したもの。一般に炮製する必要があり、現在は生姜を加えて炮製した姜半夏をよく使用する。処方に法夏(法半夏)・姜夏(姜半夏)・製半夏としてあるときは、姜半夏を用いる。清半夏は、明礬水に浸してから十分水でさらし・蒸して作ったものである。広東では一般に姜製のものを用いない。
【性 味】
味は辛、性は温。有毒。(帰経:脾・胃経)
【主成分】
β-sitosterol glucoside ・ 遊離のβ-sitosterol ・微量の精油・ phytosterol ・ saponin ・ 刺激性の alcohol類 ・ alkaloid など。
【臨床応用】
生薬分類は、温化寒痰薬。中薬の効能は燥湿化痰、降逆止嘔、消痞散結。半夏の性質は温燥なので、燥湿化痰および止咳作用があり、脾不化湿、痰涎壅滞による多痰、咳嗽、気逆などに用いられる。また、胃気上逆、悪心嘔吐に用いられる。
【用 量】
3~9g
※取り扱い上の注意
1.天然物(生薬)の性質上吸湿しやすいものがありますので、保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因になることがあります。
2.特に開封後は、湿気を避け、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。
3.本品には品質保持の目的で窒素ガス(不活性ガス)を封入しております。生薬の特質に応じて、脱酸素剤又は乾燥剤を封入している場合がございますので、一緒に煎じたり、食べたりしないようにご注意ください。
※上記内容は情報として掲載しております。
【半夏(ハンゲ)を使用している漢方処方】
小半夏加茯苓湯、半夏厚朴湯、半夏瀉心湯、温経湯、五積散、柴胡加竜骨牡蛎湯、柴胡桂枝湯、小柴胡湯、小青竜湯、参蘇飲、大柴胡湯、釣藤散、二陳湯、麦門冬湯、半夏白朮天麻湯、抑肝散加陳皮半夏、六君子湯、鹿茸大補湯など
【半夏(ハンゲ)を使用している一般用医薬品】
清気散など